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今までプレイしてきたゲーム(PC含)のレビューです。 個人的な雑感がメイン。 ほんのちょっとだけ攻略情報のようなものが載ることもあります。
05 . May
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15 . November

緋色の欠片-玉依姫奇譚-

製作元:IF 乙女いと♪  ジャンル:女性向恋愛ADV:CERO B(12歳以上対象)  プレイ人数:1人 
■初回限定版には設定原画集とドラマ+声優インタビューCD付
  また購入店舗により、それぞれ内容の違うドラマCDやテレカが付属した模様。

***

ストーリー

主人公である春日珠紀は、両親の海外出張により、母方の祖母が住む山間の小さな村で暮らすことになった。
懐かしい記憶を胸に、村へと向かう珠紀。しかし、彼女を待ち受けていたのは、他の人間には見えない奇妙な生き物たちや、おぞましい化け物だった。
襲い掛かってくる異形から救ってくれた謎の少年、鬼崎拓磨との出会いを果たした珠紀は、祖母に自分に流れる血筋、そして自らが背負う宿命について教えられる。

封印から解き放たれつつある、鬼斬丸と呼ばれる妖刀の封印。それが玉依姫としての血を引く珠紀に課せられた使命だった……。


***

システム

選択式のノベルゲームです。
話を読み進めながら、行動を選択して、その選択の結果で物語が分岐して行きます。

特筆すべきは

■愛キャッチシステム■

オプションでこれを設定(初期設定ではonに設定されています)しておくと、攻略対象キャラクターに限り、好感度が上がる選択肢を選んだ時、そのキャラクターの立ち絵バックに紅葉が飛びます。
攻略時は大変便利ですが、何も知らずにプレイすると何事かと思います。

また、「玉依姫外典」という用語集+好感度状況がプレイ中のほぼいつでも見られるシステムと、クリア後に使用可能となる「玉依毘売神社」という、おみくじを引き、集めたおみくじに応じてスチルと好感できるというシステムもあります。
※おみくじは、一日一度しか引けません。どうしても引きたい場合は、PS2本体の日付設定を変えるといけるかもしれませんが、私は試してません。
※本編中にもおみくじをひけます。その際は直前にセーブして、欲しい結果が出るまでロード、が効率的です。

その他、履歴やクイックセーブ、クイックロードなど、基本的にあると嬉しい機能は大体揃っています。
 

***

キャラクター

とりあえず、攻略対象として大雑把に

・鬼崎拓磨/同級生。一番最初に出会う攻略キャラ。ぶっきらぼうなのに、隠れ熱血。
・鴉取真弘/先輩。小さいジャイアン。ムードメーカー。
・狐邑祐一/先輩。クールにみえて、天然。一歩下がって傍観しているタイプ。
・犬戒慎司/後輩。大人しいが、頑固。一度決めたらなかなか譲らない。
・大蛇卓/唯一の成人。参謀タイプ。穏やかな雰囲気の持ち主。

メインはこの5人。それにプラスして隠しキャラが一人います。

恋愛面でのライバルは……ルートによっては、ものすごい強烈なのがいます。
このライバルの存在が、そりゃもう凄いので、ライバルがいるとダメなのよー、相手の女の子の態度に耐えられないのよー、という方は、このゲームをプレイしない方がいいです。
そのぐらい、強烈。

主人公は名前変更可能(デフォルトは春日珠紀/デフォルトでも、呼ばれる際に音声つきません)
性格は、前向きで元気、有限実行タイプ、向こう見ずな割に意外と保守派、と公式では言われています。
確かにどこにでもいそうな女子高生で、可愛らしかったです。
恋愛で悩んだり、先の見えない自分の境遇に不安になったりしつつも、ご飯が美味しかったり、空が晴れていたり、そんなさりげない幸福をきちんと知ってる子だなー、というのが個人的な感想。



以下、個人的な感想を。少々ネタバレの上に大変辛口ですので、ご注意を。
 




システムやビジュアルは、個人的にかなりの高水準です。


が。
私はこのIF乙女いと♪というブランドの、初オリジナルゲームに、大変な遺恨があります。
ので、このメーカーのゲームには、基本的に辛口です。それをご理解の上で読み進めてください。




攻略キャラクターの設定も、中々バラエティに富んでいて、プレイする側としてはタイプ別に楽しめて良いのではないかなーと思います。

が、それぞれのキャラクターのシナリオに反古があります。
設定を上手く活かしきれていないところに、別に設定を被せているので、複数のキャラクターを攻略すると、あれ? 前はここでこんなこと言ってたのに、おかしくないか? という疑問がわいてきます。(当然その疑問はスルーです)

また、このブランドさんのオリジナルゲーム特有かもしれませんが、身内が主人公に対して容赦ありません。
家族の情ってなんだろう、と悲しくなりながらリセットすることも多々あります。

登場キャラクターの大半が、主人公を殺すEDもあります。

とにかくBADEDが多数あるのですが、その9割で主人公は殺されます。
揚げ句に、攻略キャラに殺されるEDもゴロゴロしています。

へたなホラーゲームより死んでます(ちなみに死亡描写は暗転なので、ホラーが苦手な人でも大丈夫)

また、BADED後、何故BADになってしまったのか、を作中の女性キャラ二人が説明してくれますが、BADとかかけ離れたハイテンションです。
それ自体は個人的には面白かったのですが、先刻主人公をさっくり殺してくれやがった相手が、したり顔でBAD解説しているのを見ると、ついつい「○○を殺す」という選択肢はでないものかな、と考えます。
(出ません。一部の危険なプレイヤーだけが脳内に召喚する特殊なコマンドです。実行できません)

とにかく死人が多数出るゲームです。
ハッピーEDでも、大抵誰か死んでます。容赦がありません。人一人の命が地球よりも重い、という言葉が砕けてしまいそうなほどに死にます。しかも簡単に。

そんなちょっと陰鬱としたシナリオの合間合間に入る、学園生活やほのぼのとしたヒトコマの描写は非常に上手いです。思わず噴出すヒトコマもたくさん。
血と異形に溢れた生活を彩る、心温まる情景です。
そこでほっとしたところに、また血と異形。

ある意味で絶妙なバランスなのかもしれません。

そんなシナリオですが、すみません、私はこのライターさんの書く文章がとても苦手です。


とにかく、長い。
とにかく、回りくどい。

日本語が間違って使用されていることが多々あり、気にしてしまうと一気にゲームに向けていた熱が冷めます。

また、戦闘シーンの描写が古館口調です。

それまで主人公視点の一人称だったのですが、三人称のような文章に変わり、視点が切り替わったのかと思わせておいて、キャラクターの呼称(例えば真弘なら、真弘先輩)が主人公視点です。
そして、古館。
例)拓磨が叫び、アイン(敵の名前)が吠える!

……そんな冷静に解説してねーで、逃げろ逃げろ逃げちまえ、と思うこと数回。
(そしてうっかり逃げるとBADED)

日常描写で上手いと思わせるところがあるだけに、他の文章の歪さが目立ってしまう、というように感じます。

とりあえず、取り囲むようにして取り囲んだ、という表現が気になってしまう人は、目を細めて脳内補完しつつゲームを進めることをお勧めします。


細かいことを気にしなければ、恐らくとても良いゲームなのだろうとは思うのです。
でも、どうしても気になってしまうその表現。
そして、死人の数。


後半に行けば行くほど結構甘いので、甘さと美しいビジュアルをお求めのお嬢様にはお勧めしたいところ。
今ならFDの「あの空の下で」とのツインパックで、1万円ほどで購入できます。









あとですね。
上にも書きましたが、ライバルキャラ。


本当に強烈です。




私は、このライバルキャラと、その他数名の敵キャラと、身内を後ろから思い切り袈裟懸けに叩き切ってやりたい衝動に何度も襲われました。

以下、プレイ中に欲しかったコマンド。

「○○を殺す」「○○を斬る」「○○を呪う」「○○を田んぼに突き落とす」




いっそ、「自宅に帰る」という選択肢はないものかと探して見たりもしました。





あ、あとですね。
隠しキャラが1名おりますが、コイツのシナリオは初っ端からエロさ爆発です。
その上、終盤でBAD選択肢を選ぶと、何故か上記の強烈なライバルキャラから愛の告白をされる、というとんでもルートがあります。



幅広いニーズに応えてる意欲作のような気もしてきました……。




ともあれ、ビジュアルやキャラはとても良いし、主題歌も素敵な作品ですので、甘く綺麗な乙女ゲーで遊びたい、死人と文章には目を潰れるお嬢様は是非。


何だかんだ言いつつも、フルコンプするくらいには遊びましたので、私も。<したのかよ。

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