召しませ 浪漫茶房
製作元:D3PUBLISHER ジャンル:女の子専用恋愛シミュレーション プレイ人数:1人
初回限定版には「週間浪漫」という、女性●身のようなデザインの冊子がついてます。
内容は簡単な攻略ヒントと、キャラ紹介と、書下ろしの小説。
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ストーリー
●これは異世界でのお話です。●
主人公は、和菓子屋の一人娘。いつか自分の店を持ちたいと思いながら家業を手伝っているが、彼女の夢を両親はまともに取り合わない。
そんなある日、国公認の銘菓(名物)を決める大会が催されることになり、その大会で優勝したら、自分の店を開いてもいいか、と掛け合う主人公。
すると両親はもう一つの課題を出してきました。
それは「一年間、実家の店の管理を任せるから、破産させることなく経営すること」
和菓子、飲み物のメニューも自分で考え、材料も自力で調達し、さらに経営まですることになった主人公。
無事に店を切り盛りし、見事大会で優勝できるのか。
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システム
ときメモタイプの主人公成長型育成恋愛シュミレーション。
一週間の計画を経てて、それぞれ週単位で実行していくオーソドックスなシュミレーションです。
その合間合間で、主人公のパラメーターや、攻略キャラとの恋愛進行度によってイベントが発生します。
ときメモと違うのは、週単位で実行するパラメーターを一日単位で設定できること。
一週間ずっと同じコマンド、ではなく、一週間の間にいくつもコマンドを選択できます。
ちょっと特殊なのが、お店の営業日・定休日の設定、お菓子の材料の採取、栽培、店の改装などです。
それらを簡単に紹介します。
◆◇◆一週間の行動設定(店の営業日・定休日設定/採取、栽培)
主人公は実家の店を切り盛りしているので、当然営業、接客が主な仕事です。
この世界では、一年が10カ月、一か月が32日間、一週間が8日、と現代日本とは大違いなので、注意が必要です。余裕こいて、あと2月あるぜーと思っていたら、そこがデットエンドだったりします。
また、八相の祭、という設定があり、天地水火山沢風雷(これが一週間の8日に当てはまります)に合わせて、町の外で祭りが開催されます。この祭の日は、その相の力が一年で最も強くなるという伝承があり、後で説明する採取の際、対応した採取場所に行くと、特殊な材料が手に入ったりします。
主人公が普段行える行動は4つ。
・経営の勉強(経営に影響、レベルアップすると集客力があがります)
・メニューの研究(和菓子制作の必要。これが高ければメニューが増えます)
・素材の研究(素材を探しに行った際に、発見率が上昇します)
・栽培の勉強(畑での材料栽培に有利になります)
基本的に営業日は上のパラメーターをあげることになります。
定休日は、スタート時に設定します。
定休日に出来る行動は以下の5つ。
・お店に行く(ここで定休日の変更/翌月から反映、改装、メニューの変更をします)
・畑に行く(種と水があれば、ここで栽培できます)
・材料探し(攻略キャラと材料探しに行きます)
・買い物をする(ゲームが進行すると、材料を購入したり、道具や種も購入できます)
・休む(ストレスや疲労度を回復します)
採取は同行してくれるキャラによって、入れる場所が変わります。
畑は種と水があっていれば、成長率が上がります。また水遣りをサボると容赦なく枯れます。
◆◇◆店の改装
経営レベルと総資産の条件をクリアすると、お店を改装出来るようになります。
全部で4パターン。ショーケースだけのお店をイートインにすることができます。
一気に集客力があがるので、条件を満たしたらやっておきたいところ。
ただし、改装中は当然営業できません。
特殊なシステムとしては、こんな感じ。
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キャラクター
とりあえず、攻略対象として大雑把に
・一本気で真っ直ぐで照れ屋な剣術兄さん(ブラコン)/無口という設定だけど、意外と喋る。
・金髪、小動物癒し系で、実は弓の才能に満ち溢れた弟/思い詰めると無茶をする。
・ツンデレ眼鏡な奥手、秀才タイプ/仲良くなると肩を抱いて「頑張れよ!」と言いたくなる。
・若干オネエ口調のへたれな近所のお兄さん/とにかくテンポがいい。
・落ち着いていて、面倒くさがりで、でも何か倦怠感のある子ども/でもノリはいい。
メインはこの5人。それにプラスして隠しキャラが一人います。
恋愛面でのライバルはいませんが、経営面では一応います。
が、彼女が何をするわけでもないので、やけに突っかかってくる高飛車な女の子(若干ツンデレ)が好きな人は、むしろ愛でたくなるタイプ。私は愛でました。可愛い。
主人公は名前変更可能(デフォルトは天海千歳/メインのうち、この名前でプレイするとEDで妙にじんわりくるキャラがいるので、特に名前に拘りがなければこの名前でプレイするのが良いかと思われます)
性格は、結構勝気なお姉さん。プレイヤーに全てを委ねるコルダタイプではないのですが、個人的には大好きな主人公です。攻略キャラを叱り飛ばすところなんて、胸がすっとした!(それはどうなの)
以下、個人的な感想など。
私は前作の「きまスト」もプレイしていて、このライターさんが書く主人公キャラは好きなタイプなので、物凄い楽しんでやりましたが、アンジェリーク等のお嬢さんになれていると、ちょっと違和感があるかもしれません。
やや天然ではありますが、しっかりしています。
ボケたことを言う攻略キャラには突っ込み、暴走を始めた攻略キャラにはこんこんとお説教。
一部、おぉぉ、お前、そこはもうちょっと怒っとけー! なキャラもいましたが、基本的に「ちゃんと怒れる主人公」です。相手に媚びない。
ただ、設定の無茶苦茶っぷりは色々突っ込みたくはなります。
というかね。いくらなんでも、経営したことのない娘にまるっと店任すなよ、両親ー!
そして、許可取らずに金とスキルに物言わせて、勝手に改装するなよ、娘ー!
大丈夫なんかなー、この店。と思わず半目で画面を見つめることもありますが、それらをうまく脳内処理すれば、普通にプレイできます、多分。
あとですね。
システムに関しては、大きな不満というのはないのですが(基本的に遊んでて、凄い不便……!というのはないです)
1点だけどうしても、これはもうちょっと、と思ったのが材料採取時のランダム採用です。
場所によって取れる材料や種が決まっているのですが、そこに行ったからといって、欲しいものが必ず手に入るわけではありません。ちなみに取れる数もランダム。1個しか取れない時もあれば、8つ取れる時もある。
これが困るんですよ。どうしてもそのアイテムが欲しい時は、出るまでリロードです。
私、これで2時間待った事があります。
途中で3回コントローラー投げました。
でも、好きなんだ、このゲーム!
それと、ED条件がちょっと厳しいのも、人によっては困るかなーと。
このゲームは股がけできない上に、結構私は1点集中攻略型なのでなんともなかったんですが、油断するとBADになります。
というのも、GOODEDの条件がシビアなんです。
基本的に以下の項目を満たす事が必要になります。
・聖月の決算に1位を獲得
・大会用の和菓子に攻略対象キャラの好物を提出 ※この和菓子の価格を値上げしていないこと
・大会で優勝する
・好感度が一定値以上あること
・攻略対象といっしょに、採取へ20回くらい出かけていること
・攻略対象のイベントをすべて起こす
これが1つでも抜けると、即BADです。
攻略対象の好物は、名前から推察できるのですが、一応書いておきます。
・道明寺兄/道明寺桜餅
・道明寺弟/幻桜餅
・葛生/茅水本葛切り
・柏/幻柏餅
・麟/極五家宝
基本的に、その人と仲良くなってからくれるレシピの一番下が好物です。
それはあれかなー、作れってのかなー(笑)
あと、隠しの人は好物ありません。
まぁ早い話、ときメモ+アトリエシリーズなんですが、作れるものには限りがあるので、アトリエほど自由度は高くないです。
でも今なら廉価版「THE浪漫茶房」というのが2100円(定価)で出ているので、その値段でこのコストパフォーマンスなら問題ないと思います。
アンジェリークのような恋愛糖度をお求めだと肩透かし食らうかもしれませんが、私はこれくらいならいいです。ちなみにED後の新婚さんっぷりも見れるので、そういうのが好きな人には本当にオススメ。(キャラによります)
そんな私の本命は、葛生の兄さんでした。
この人は声、容姿、ストーリー、オチまでことごとく私の好みだったので、のた打ち回りましたよ。
なんというか、主人公を呼ぶときに「お嬢」と読んでくれるんですが、その微妙な親しみと、やる気のなさっぷりがいいです。
あとですね、途中のイベントでうっかり泣いてしまったのが、柏坊。
初デートのイベントなんですが、ついつい画面に向かって「頑張れ! 頑張れ、坊!」とはじめてのお使いを見守るお母さんの気持ちで見つめてしまいました。
なんというか、もう、千歳ちゃんに幸せにしてもらえ!
で、私はうっかりデフォルトから名前を変えてプレイしてたんですが、麟のEDだけは千歳という名前でプレイすることをオススメします。
(*ネタバレ EDで麟が千歳の名付け親というのが判明するんですが、永遠にも思える時間を生きた彼が、千歳、と名づけた意味を考えると、なんかこうクるものがあります。おぉぉ、麟、お前も千歳ちゃんに幸せにしてもらえぇぇぇ! )
基本的に面倒くさいゲームに分類されるとは思いますが、イベントやシナリオはよく作ってあるなと思えるので、単調作業が苦にならない方には是非ともプレイしていただきたいです。
D3さんの女の子向ゲームは、ダーリンとマーメイド以外はやってますが、今でも繰り返しやってしまう、ちょっと中毒性のあるゲームはこれかな、と。